「山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために」へのご支援をありがとうございました
ご支援のお礼

この度は、YAMAP FUNDING「山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために」に多大なるご支援、ならびに多くの応援メッセージを賜りまして、誠にありがとうございます。このFUNDINGが山岳医療に関心をお寄せいただくきっかけになったのではないかと感じるとともに、医療従事者の方々からも多くのメッセージを頂戴し、大変心強く思っております。
皆様のご厚意により、目標金額の900,000円を大幅に超えて、6,807人の方々から計1,065,640円ものご支援を頂戴いたしました。集まった支援金は、今後の「山岳医療を広めたい!」という私たちの目標の礎とし、最大限に有効活用してまいります。それとともに、公式アカウント「山岳医療を広めたいProject」においても様々な情報(山岳医療に関連する活動日記、山中での怪我や病気を防ぐための情報、山岳医療者のご紹介など)をわかりやすく発信し続けてまいります。今後ともよろしくお願い申し上げます。
この夏は、2020年初頭から始まった新型コロナウイルス感染拡大による社会の行動制限が解除されて最初の年でした。そして、多くの悲しい事故が起こりました。


夏山シーズン(7月と8月)の事故発生件数は過去5年で最多(図1)、日本アルプスの雄大な山々が鎮座する長野県も同様の傾向で、過去10年で最多の件数になる予測です(図2)。
この結果を受けて、私たちは何をすべきなのか。最も明確な結果のアウトカムは、遭難件数の減少だと思います。その実現のためには、警察、救助隊、山岳遭難防止対策協会(遭対協)などの各機関、私たちの属性である山岳診療所や医療パトロールなどの機関等が呼びかけるだけではなく、山を愛好する皆さんひとりひとりのお力が必要不可欠です。
今後も、私たち「山岳医療を広めたいProject」は、微力ながら皆様方が安全に楽しく山に触れ、無事にご自宅に帰ることができるための一助となれるよう、努めてまいります。
支援金の使い道について
それとは別に、本プロジェクトにご興味を示していただいている団体様とやりとりをしています。その結果によって支援金の使い道は変わってきますが、現時点では以下の使い道を想定しております。なお、余剰金につきましては、各団体の活動を継続していく上で必要な消耗品の購入等に充当する予定です。
- 山岳医療活動参加者への謝金/交通費援助
- 活動にかかる滞在費の援助
- 活動団体メンバーの技術講習会費用援助
- トランシーバー(活動者同士の連絡手段として)
- 雷探知機(高所の診療所に設置)
- AED(山小屋や登山口の売店などに設置)
- ツェルト(要救助者の保護用に使用)
- 医療物資
- 要救助者用飲用水、栄養ゼリー等
- 活動者ユニフォーム(ビブス、ベストなど)
今年の夏シーズンの活動報告と今後の予定
今年の夏山シーズン、私たち自身も様々な山岳医療の活動を行い、山を愛好する多くの方々や、山に関わる関係者の方々と触れる機会がありました。


その中で確信したのは、遭難になる前の予防の段階から関わることが、遭難件数の減少に直接つながる、ということでした。私たちのYAMAP FUNDINGのページで山岳医療活動では「非事故案件、予防・啓発活動」にアプローチすることが最も重要であると記しました(図3)。私たち山岳医療従事者は、今後も医療的観点からこれらのための情報を発信しつつ、登山者の皆さんと同じ立場、目線で学んでまいる所存です。
私たちの活動趣旨である「山岳医療従事者の活動を持続的に支える」ためには、団体として持続した活動を行う体制づくりが肝要と考えます。つきましては、「組織強化=当団体を支えてくれる仲間の増員」、「法人化」、「山岳医療従事者のネットワーク構築」の3点を短~中期的な行動目標としております。それとともに、YAMAP FUNDINGが端緒となった本活動を拡充していきます。その核となるのは、山岳医療従事者の活動機会創出(登山口の声掛け活動、医療パトロール、山岳診療所活動など)です。

自治体、遭対協、山小屋、山岳医療団体との連携、医療パトロール団体設立のコンサルティングなどによって、それを実現できればと考えております。これらの経過についても、私たちの公式アカウントから適宜発信してまいります。
引き続き、皆様方のご支援、ご指導のほど、よろしくお願い申し上げます。
2023年11月2日
YAMAP FUNDING「山岳医療従事者の活動を、持続的に支えるために」プロジェクト共同オーナー
代表 望月 良(理学療法士)/副代表 湯本 智子(看護師)