天然記念物「ライチョウ」の生息北限地・火打山で実施する、ライチョウ捕食動物のモニタリング調査へのご支援をありがとうございました

ご支援のお礼
この度は、天然記念物「ライチョウ」の生息北限地・火打山で実施する、ライチョウ捕食動物のモニタリング調査に大変多くの方々からご寄附をいただき、ありがとうございました。予想を大きく上回るご支援に関係者一同感銘を受けております。
応援コメントもたくさんお寄せいただき、ライチョウをはじめとする妙高山・火打山の自然環境が多くの方々から深く愛されていることを再認識することができました。
雄大な自然を前に、私たちの活動はとても小さいものですが、この豊かな恵みを次の世代に引き継いでいくため精一杯取り組んでまいります。
今後とも、よろしくお願いいたします。
これまでの取り組みについて

新潟県の南西部に位置する火打山周辺には、20から30羽程度のライチョウの群れが生息しています。絶滅が危惧されているライチョウの中でも火打山のライチョウは非常に小さい群れで生活しており、その生態は行動範囲なども含めまだまだ謎が多く、生息数をはじめとしたいろいろな基礎調査を実施しています。
ライチョウ保護のためにはライチョウそのものの研究の他に、火打山の自然環境モニタリングが必要不可欠です。ライチョウがどのような環境で生活を継続しているかを知り、その生息環境を維持することがライチョウの保護につながるためです。現在は、火打山山頂付近でのセンサーカメラによる哺乳類の出現状況や、高山蝶のモニタリングなどを実施しています。
高山蝶のモニタリングとライチョウ保護の関係は一見希薄に感じますが、実はとても深く関わっています。
蝶の幼虫は種ごとに食べる植物が異なっており、蝶の種類や数から間接的に高山帯の植生を知ることができます。高山帯の植物の状況は、ライチョウのエサの問題に直接影響するため、今の環境を知り守ることがライチョウを守ることにつながるのです。
支援金を活用した、ライチョウ捕食動物のモニタリング調査について

高山蝶のモニタリングと並行して、私たちはライチョウの生息環境を知るため、ライチョウの捕食者となる哺乳類の糞の調査を実施してきました。
登山道を歩き発見した糞について、目視や臭いなどによる種の特定と内容物を判別するものです。この調査の結果、現時点においてライチョウの捕食は確認されていませんが、いくつか疑問が残ります。
今回ヤマップファンディングでいただいたご寄附で実施する糞のDNA調査は、それらを解明する取り組みです。
・捕食種の糞について、同じ個体のものか違う個体のものかをDNA調査し、その結果から生息密度を推測する。
・捕食者の糞の内容物をDNAの単位で確認できるため、捕食状況がより正確に把握できる。
他の地域の例を見ると自然環境下においてライチョウは捕食される動物です。
その数を把握することが、ライチョウの生息数、そして生態系を守る上で非常に重要になってきます。火打山のライチョウは群れが非常に小さいことから、あらゆる要因が絶滅に直結します。現在の捕食状況を正確に知ることにより、将来の予防へつなげていきます。

その他のライチョウ保護対策について
生命地域妙高環境会議は、人が自然環境へ及ぼす影響がライチョウのリスクになっている場合、その対策を講じていきます。すなわち、自然環境下における捕食状況への改編を行わずにライチョウ保護の取組を進めるものです。
具体的には、登山などの活動が高山帯における捕食者の増加につながる要因であれば、そのことに注視し原因を突き止め対策します。人も自然環境の一部と考え、自然と共生した利用を促進し、その利用がよりよい保護活動につながる好循環の実現を目指していきます。
今度とも、どうぞよろしくお願いいたします。
生命地域妙高環境会議HP:https://www.myokokankyokaigi.jp/
