京都・芦生(あしう)の森ルート整備プロジェクトへのご支援をありがとうございました

 

ご支援のお礼

 
この度はYAMAP FUNDING ⽀援プロジェクトへのご協力を多くの方々に頂き、誠にありがとうございました。
私たちが想像していた以上の多くの方々に多大なご支援を頂きましたこと、大変驚いております。と同時に、芦生の森を守りたいという皆様の思いの強さを改めて認識させて頂きました。
芦生の森はこれまでにダム建設計画、人工林化を目的とした大規模伐採、など様々な危機的な状況を乗り越えて現代に残されてきました。そしていまは全国的にも広がっているシカ害により森の姿が変わってきています。人間の営みによる森の喪失、いつの時代も森は人間により翻弄されてきました。これからも芦生の森を守り、後世に残していくにはどうしたらよいのか…。とても難しい問題ですが、皆様のご支援や京都大学、関係機関の方々と連携しながら私たちもできることを少しずつ取り組んで参りたいと思っています。
 
シカの食害で低層の植生が失われ、森林の衰退が進んでいます。
シカの食害で低層の植生が失われ、森林の衰退が進んでいます。
 

芦生の森の歴史と、現在のコース規制・ガイドツアーについて

 
鬱蒼としていた、かつての芦生の森。
鬱蒼としていた、かつての芦生の森。
芦生の森は、地元の山を京都大学が借り受けて管理をしている山です。1921年(大正10年)からになりますので、ちょうど100年を超えたところです。「京都大学 フィールド科学教育研究センター 芦生研究林」(以下 芦生研究林)が、研究者や学生が利用することを目的に運営しています。私たち「芦生もりびと協会」は、研究の妨げにならないように、この森を訪れたいという一般の方々をご案内する役割を担っています。
以前は芦生の森には比較的自由に一般の方でも入ることができたのですが、 ①貴重な植物類の盗掘が増えてきたこと  ②オーバーユースの回避  ③毎年のように遭難事故が起こっていること などが理由で一般の入林者の規制を芦生研究林として強めることになりました。 その結果、一般の入林は2つのコースのみとなり、その他いくつかのコースについては「芦生もりびと協会」が認定するガイド同伴の場合のみ一般の人も通行可能ということが決められました。
現在、芦生もりびと協会の認定ガイドによるツアーは4団体(芦生山の家・美山町自然文化村・針畑活性化組合・芦生タカラの森)によって行われています。
芦生の森を訪れたい場合は、下記URLより、どうぞお問い合わせください。
 

今後の活動と、支援金の使い道について

 
歩行ルートを示す、ロープ張り作業の様子。
歩行ルートを示す、ロープ張り作業の様子。
芦生もりびと協会は、各ルート確認を芦生研究林と行い、倒木や崩壊があった場合など微細なルート変更の確認なども行っています。これは森林生態へのインパクトを最低限に抑え、研究に支障を来さないようにするためでもあります。その際に杭を打つなどして、登山道が広がらないように誘導することなども行っています。
またガイドがツアーを開催する中でこのような草があったとか、キノコが見られたなど芦生研究林に伝えることで、シカ害によって衰退する森の動態について研究者が把握するお手伝いもさせて頂いています。
芦生の森は地元の所有山林でもあるので、芦生もりびと協会として地元の小学校と中学校の学校行事として芦生の森を案内する取り組みも行っています。
事前学習により森への理解を促しながら実際に森の中をガイドと共に歩くプログラムです。自分たちの住んでいるところにすばらしい森があることを子どもたちに知って欲しいとの思いから取り組んでいる事業です。また地域の親子向けのツアーも開催しています。森を大切に思う気持ちを育むことが森を守ることにつながると考えています。
地域の親子向けツアーを開催している様子
地域の親子向けツアーを開催している様子
多くの人に芦生の森を訪れて頂き、森のすばらしさを伝えたい、それが芦生もりびと協会の思いです。一方で前述の理由から、研究・教育の場としての活用を第一に優先されなくてはならないので、そのルールを守って頂けるように、一般入林者の方々のご理解を賜りたいと思っております。
頂いた支援金は、環境へのインパクトを最低限に抑えたルート整備に使用する資材や工具、林内情報や携帯エリアなどのレスキュー情報などが掲示された看板の設置等に使わせて頂きたいと思っております。
 
ありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。