わたしと熊野の絆を見つける「熊野リボーンプロジェクト」第3期募集

 
熊野リボーンプロジェクト第2期生集合写真。熊野古道中辺路「近露王子」にて
熊野リボーンプロジェクト第2期生集合写真。熊野古道中辺路「近露王子」にて

ちょっと不便で豊かな地方都市「和歌山県田辺市」

世界文化遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」に登録され、日本を代表する巡礼路としても有名な「熊野古道」。和歌山県田辺市は、その主要ルート「中辺路」の玄関口として、平安時代より栄えてきました。
この街は、都会に比べればちょっと不便です。コンビニの数は少なく、繁華街も小さめ。大阪からは電車で2時間、東京からは飛行機と車を乗り継いで1時間半かかります。
でも、この街は豊かです。
果てしなく広がる太平洋と熊野三千六百峰とも称される豊穣の山、そして独自の文化。かつては「蟻の熊野詣」と称されるほどに多くの人々が巡礼に訪れたと伝わっています。田辺市周辺には、かつて巡礼者達が目にした自然と文化が形を変えず、今なお残っているのです。
七越峯から望む田辺市熊野本宮大社。周辺には豊かな低山と美しい熊野川、田園風景が広がる
七越峯から望む田辺市熊野本宮大社。周辺には豊かな低山と美しい熊野川、田園風景が広がる

熊野リボーンプロジェクトとは?

 
「熊野リボーンプロジェクト」は、そんな「和歌山県田辺市」「熊野古道」と、都市に生きる人々の間に主体性のある絆を作り、新しい価値を生み出そうというチャレンジです。2020年の秋に始動し、今年は第3期10名を全国各地より広く募集します。この取り組みを通して、私たちが生み出したいと願う価値は下記の2つです。

衰退する里山の営みに新しい風を起こしたい

豊かな自然と文化が残る田辺市ですが、人口減少や農林業の衰退によって、熊野古道を支えてきた里山の営みが今、徐々に失われようとしています。熊野リボーンプロジェクトでは、そんな状況下にあって懸命に熊野の文化を支え、美しい自然を次世代に残そうとしている地域の人々との交流を通して、参加者自らが行動し、地域と参加者双方に価値がある取り組みをスタートさせることを期待しています。
 
〜例〜
  • イラストや文章、写真などを得意とする参加者が自らの発信力を生かし、地域の人々の協力のもと、熊野の魅力を発信していく
  • 従事している仕事と熊野の自然や文化、産業を掛け合わせ、参加者が各々のフィールドでシナジーを生み出していく
  • 地域の人々の協力のもと、参加者が熊野の自然や文化、産業を活用した新たなビジネスをスタートさせる

都市に住みながら地方とつながる「新しい生き方」を見つけたい

このプロジェクトで求めているのは、「ビジネスをスタートさせる」「情報を発信する」といった大きな試みだけではありません。慌ただしい都会での生活の合間に、熊野古道の風景を思い出し、そしてちょっとまとまった休みが取れれば、里帰りをする気持ちで遊びに来てくれる。参加者にとって、田辺の街や山が「第二の故郷」になればいいと考えています。
 
〜例〜
  • 農業や林業の繁忙期に、遊びついでに手伝いに訪れる関係性が作られる
  • 居住地域で田辺市の人々がマルシェなどを開催する際、覗きに来てくれる関係性が作られる
  • 将来、移住や二地域居住を検討するきっかけになる
 
上記はほんの一例。皆さんが地域と交わり、その自然や文化を感じながら、それぞれが自分に合った絆の形を主体性を持って考えて欲しいと思っています。
フィールドワークでは、現地の産業を体験し、田辺の魅力を心と身体で理解していく
フィールドワークでは、現地の産業を体験し、田辺の魅力を心と身体で理解していく

第3期のテーマは「梅」

 
2020年のスタート以来、「熊野リボーンプロジェクト」が焦点を当ててきた活動領域は「林業」「農業」「狩猟」「観光」の4つ。第3期となる今回は新たな取り組みとして、田辺の伝統産業「梅」をプロジェクトの軸としながら「林業」「農業」「狩猟」「観光」の可能性を開花させるアイデアをみなさんと一緒に考えていきます。
田辺市がある紀伊半島といえば「紀州梅」でも知られる梅の産地。その歴史は江戸時代初期まで遡ると言われており、以来400年を超えて里山の風景は美しい梅林に彩られてきました。梅が実を結ぶ初夏には、街に甘い香りが立ち込め、夏の土用には、そこかしこに梅の実が天日に干された風景が広がります。和歌山を代表する飲食街「味光路」も、梅の時期にはグッと客足が減るそうです。
まさに田辺は梅の里。街の風土、そして人々の営みは梅と共に時を刻んでいると言っても過言ではありません。
しかし例に漏れず、過疎化や一次産業の衰退によって梅産業の担い手は年々減少の一途を辿り、脈々と受け継がれてきた美しい里山の風景は今、その姿を変えようとしているのです。
今回のプロジェクトでは、そんな「梅」を通して、その背後で密接に関係し合う「林業」「農業」「狩猟」「観光」の今を見つめ、新たな可能性を導き出せればと思っています。

2022年度実施概要

 
「熊野リボーンプロジェクト」が焦点を当てる地域の活動領域は「林業」「農業」「狩猟」「観光」の4つ。2022年の活動では、 前述の通り、田辺の地域産業である「梅」を軸にこの4つの領域を横断したアイデア作りに挑みます。
具体的には、地元田辺で活動する関連事業者を交え、地域を理解するためのミーティングを2回、中間発表会を1回、2泊3日の熊野でのフィールドワークを1回、活動を通して各人が考えた「田辺との絆の形」について共有する発表会を1回、計5回の活動を実施します。
過去の取り組みでは広葉樹の苗木を山の斜面に植林し、崩落をしない山をつくる取り組みを体験した
過去の取り組みでは広葉樹の苗木を山の斜面に植林し、崩落をしない山をつくる取り組みを体験した
中でも今期は「梅の耕作放棄地」の利活用が大きなテーマです。フィールドワークでは実際に現地を訪問し、2泊3日のうち1日は耕作放棄地となってしまった梅林でのテント泊&植林作業を予定しています。熊野の歴史や文化、耕作放棄地の現状とそこに秘められた可能性、そして参加者のみなさんの独自の視点などを折込みながら田辺に新たなストーリーを創造し、YAMAPユーザーの皆さんならではの新しい風をこの街に吹かせることができればと思っています。
「耕作放棄地」の現在の写真。40aほどの広さ
「耕作放棄地」の現在の写真。40aほどの広さ

こんな方のご応募をお待ちしています

〜例〜
  • 自分の得意領域を活かして田辺市を盛り上げていきたいという方
  • 耕作放棄地の利活用を考えたい、体験したいという方
  • 田辺市の世界農業遺産「梅システム」に関心のある方
  • 田辺市と継続的な関係性を築いていきたいという方
  • 熊野古道に関心のある方、熊野古道を自分の足で歩いてみたい方
 
絆の形は人それぞれ。無理なく続けていける形で、皆さんなりに熊野との絆の形を考えていただければと思います。
第2期の様子。メンバー同士や現地事業者とのディスカッションを通して、アイデアを具体化していく
第2期の様子。メンバー同士や現地事業者とのディスカッションを通して、アイデアを具体化していく

スケジュール

第1回【キックオフ】 熊野 リボーンプロジェクトについて知る

  • 日程:2022年10月16日(日) 14:00 - 16:00
  • 開催地:オンライン
  • ゲスト:田辺市企画部たなべ営業室 鍋屋 安則さん
  • 内容:憧れの熊野古道の素顔を探究し、世界遺産の知られざる現状を学ぶ、その第一歩がキックオフミーティングです。仲間たちとの親交を深め、これから始まる挑戦に向けた疑問を解消していきます。司会進行は、本プロジェクトのメンターであり低山トラベラーとして日本各地を旅する大内征さん。田辺市役所の鍋屋 安則さんと共に熊野古道および田辺市の概要と過去のリボーンプロジェクトの振り返り、そして第3期の展望について確認し合います。
 

第2回【オンライン講座】 熊野の歴史文化と農業・狩猟について知る

  • 日程:2022年10月23日(日) 14:00〜17:00
  • 開催地:オンライン
  • ゲスト:田辺市熊野ツーリズムビューロー会長 多田稔子さん、株式会社日向屋代表取締役 岡本和宜さん
  • 内容:ゲストスピーカーは国内外に熊野の魅力を発信し続ける観光プロモーション団体「田辺市熊野ツーリズムビューロー」の多田稔子さんと、耕作放棄地、鳥獣害被害に立ち向かう「株式会社日向屋」の岡本和宜さん。熊野の人々が受け継いできた歴史文化、そして「世界農業遺産」にも認定されている熊野の「梅システム」を未来につなぐ取り組みについて、しっかりとインプットしていきます。
 

第3回【中間発表会】 現地フィールドワーク前のアイデア共有会

  • 日程:2022年11月13日(日) 14:00〜17:00
  • 開催地:オンライン
  • 内容:約2週間後に迫ったフィールドワーク。個々人が仮説を持ちフィールドワークに臨めるようアイデア共有会を行います。第2回までのインプットや個人でのリサーチを元に暫定の構想をまとめ最終発表会に向けての骨子を固めていきます。
 

第4回【フィールドワーク】 「梅システム」視点で熊野を理解する

  • 日程:2022年11月25日(金)~27日(日)
  • 開催地:和歌山県田辺市周辺と熊野古道中辺路
  • 内容:2泊3日で和歌山県田辺市を訪れて、「梅システム」視点で熊野理解に努めます。熊野古道を歩き、現地事業者から学び、そして耕作放棄地での植林体験を実施します。一連の行程で熊野と自分の間にどういった絆を結ぶことができるか、じっくりと考えてください。宿泊は耕作放棄地でのテント泊と田辺市市街地の宿泊施設を予定しています。(※耕作放棄地には仮設トイレと水タンクの設置を予定しています。水道やシャワーなどの設備がないことをあらかじめご了承下さい。)
※詳細スケジュールについてはキックオフMTGでお知らせします
 

第5回【最終発表会】 「熊野と自分の絆の形」についての構想発表会

  • 日程:2022年12月18日(日) 14:00〜18:00
  • 開催地:オンライン
  • ゲスト:田辺市長 真砂充敏さん、田辺市熊野ツーリズムビューロー会長 多田稔子さん、株式会社日向屋代表取締役 岡本和宜さん
  • 内容:学びや経験を通して考えた「熊野と自分の絆の形」について、発表します。プロジェクトはここで一旦終了しますが、この発表の場こそが、熊野と皆さんとの間に結ばれた絆の始まり。熊野とあなたの間にどういった絆を作っていきたいか、主体性のあるアイデアを発表してください。

応募要項

下記の要項をよくお読みいただき、応募してください。
 

参加者選考について

下記応募フォームにご記入いただいた内容をもとに厳正なる審査を実施し、参加者を決定いたします。文字数の指定はありませんが、採用に直結する内容のため、あなたの人となりや熊野リボーンプロジェクトへの思いが伝わるようしっかりと記入をお願いします。審査を通過された方にはYAMAPより後日連絡をさせていただきます。審査を通過された方のみが、本取り組みへ参加可能となりますので、あらかじめご留意ください。
 

応募フォーム

<<応募フォームはこちら>>

 
下記アンケートフォームにご記入いただいた応募内容をもとに厳正なる審査を実施し、参加者を決定いたします。審査を通過された方にはYAMAPより後日連絡をさせていただきます。審査を通過された方のみが、本取り組みへ参加可能となりますので、あらかじめご留意ください。
 

選考スケジュール

  • 募集期間:2022年8月26日(金)〜 9月19日(月) 23:59
  • 書類(応募フォーム)審査:9月下旬
  • 結果発表:10月2日(日)までに審査通過された方のみに連絡します。
 

参加費用

  • 交通費:実費
    • 参加費:25,000円(税込)
 ※参加費はフィールドワークでの宿泊・食事代を含みます
 ※フィールドワーク現地(和歌山県田辺市近辺)までの交通費は各自負担です。
 
〜費用参考情報〜
交通費:東京駅 ⇆ 紀伊田辺駅:33,020円(往復)
※電車利用の場合
 

参加費用

  • この取り組みには各種メディアの取材が入ります。プログラムの様子を撮影し、テレビ番組や特設サイト・YAMAPオンラインメディアやSNS・自治体のウェブサイト等での公開を予定しておりますので、予めご了承ください。
  • 本プログラムでは、新型コロナウイルスの感染予防として、うがい・手洗い・マスクの着用・アルコール消毒液による手指消毒・検温等の対策を実施いたします。また、感染拡大の状況によってはフィールドワークの実施内容・日程を変更する場合がございます。あらかじめご了承ください。

ゲストスピーカー紹介

 
田辺市熊野ツーリズムビューロー会長 多田 稔子 氏
和歌山県田辺市に拠点を置く官民協働の観光プロモーション団体「田辺市熊野ツーリズムビューロー」の会長。熊野の魅力を国内外に向けて精力的に発信し、熊野古道の外国人観光客数を劇的に増加させたPR手腕を持つ。団体旅行ではなく、個々人がそれぞれの感性に応じて熊野を楽しむ「個人旅行」の充実を目指し、現在の熊野観光の礎を築く。
 
株式会社日向屋 岡本 和宜 氏
岡本農園代表。農業を営むかたわら、地元農業に深刻なダメージを与える鳥獣被害や耕作放棄地問題を解決する若手農家集団「チームHINATA」の代表を担う。前職のサービス業で培ったノウハウも活かし、地域課題の解決と新たな地産商品の開発を同時に手掛ける。
 

メンター紹介

 
低山トラベラー 大内 征 氏
土地の歴史や物語を辿って各地の低山を歩き、自然の営み・人の営みに触れながら日本のローカルの面白さを探究。ピークハントだけではない“知的好奇心をくすぐる山旅”の楽しみ方とトレイルを歩くことの魅力について、文筆と写真と小話で伝えている。
2016年よりNHKラジオ深夜便「旅の達人~低い山を目指せ!」にレギュラー出演中。NHKBSプレミアム「にっぽん百名山」では雲取山と王岳・鬼ヶ岳の案内人として2回出演。著書に『低山トラベル』、『とっておき!低山トラベル』(ともに二見書房)、『低山手帖』(日東書院本社)などがある。NPO法人日本トレッキング協会常任理事。宮城県出身。
 
熊野リボーンプロジェクト第3期募集に際して 世界遺産・熊野古道、いつかは歩いてみたい! そう思う人は多いようですが、実際に歩いた経験のある“ハイカー”は、実は意外と少ないようです。これまでの第1期と第2期に参加したのは、そんな熊野古道に並々ならぬ偏愛と関心をもっている人ばかりでした。あまりに愉快で、互いに刺激し合えるメンバーばかりだったので、メンターとして関わるぼく自身が一番刺激をもらったのかもしれません。 このプロジェクトは、一般論ではなく“自分ごと”として熊野古道や田辺の事業者のことを想い、地域の未来について考える講座です。ローカルとの関わり合いを望む人はもちろん、見聞を広げたい人、歩き旅を愛するハイカーにとっても、この上ない特別な機会になることは間違いありません。そして、みんなで歩く熊野古道がまたとてもいいんですよね。 必要なのは、熊野への愛。それと自分なりの視点や考え方を持ち、表現すること。最終回では「熊野×自分」をテーマに、それぞれのフィルターを通した考えを話してもらう予定です。中にはこの地域をよりよくするビジネスアイデアや、旅のエキスパートとして熊野古道を楽しむ企画などを想いつく人もいるでしょう。大歓迎です。それもまた、自分にはない視点を授かる絶好の機会。今期はどんな出会いがあり、どんなフィールドワークになるのか、今から楽しみで仕方がありません。 そうそう、その後の卒業メンバーとは東京で会うこともあるし、一緒に登山することもあったりして。そして毎年恒例の熊野詣でを、この卒業生たちとともに歩くことにしています。今年はテントを背負って熊野古道の小辺路を歩く予定。こういうつながりも、また嬉しいもの。第3期生のみなさんにお会いするのが楽しみですし、そのご縁がずっと続いていくと嬉しいです。 大内征
※「熊野リボーンプロジェクト」は田辺市・ヤマップの共同企画です。低山トラベラー大内征氏がメンターとして全体の案内を務めます。

熊野と結ばれた絆

最後に、熊野古道・田辺と出会い、そして結ばれた絆の形について、いくつかご紹介します。結婚を機に田辺に事務所を構え地域の魅力を発信するデザイナーさんや、何度も田辺に通ううちに、その魅力に惚れ込み、移住を決意したシステムエンジニア、熊野リボーンプロジェクト第1期の活動をきっかけに熊野を舞台にした映画制作を計画し始めた舞台女優さんなど、その絆の形は本当に多様です。あなたがこれから結ぶ絆の参考にしてください。

 
竹林陽子(40代 デザイナー 女性) 京都府綾部市から結婚を機に田辺市へ移り住みました。引っ越す前から早く熊野に住みたくてワクワクしていました。行く度に楽しい人たちに出会い、この土地が持つ独特の風土に魅せられていきました。果てなしの紀伊山地を背後にして遮るもののない太平洋を見渡したら、なぜここに暮らす人たちが暖かく人懐っこく情緒的なのかがきっと解るはずです。20年住み続けてもまだ私を虜にし、語り尽くせない熊野の多様な魅力をぜひ体感しにきてください。
 
田中和広 (30代 地域おこし協力隊 男性) 私は今年田辺市へ移住する前に、田辺市が開催する首都圏在住者向けの関係人口講座に参加しました。この講座を通じて、田辺で活躍する方々が自身の事業と絡めて地域課題に取り組まれている事に惹かれて一緒に働きたいと思い、何度も田辺に通う内に関係を深めて移住を決めました。田辺周辺にはたくさんの低山、川や海など自然が充実していますので、熊野古道を機に何度も通い、田辺を好きになって頂けると大変嬉しいです。
 
浜野まどか(30代、俳優、女性)| リボーン1期生 なぜ昔から人々は熊野を目指して歩いたのか? このプロジェクトの第1期生となり、現地でいろいろな人と出会って話し、考え、想像しながら歩いた。出会う人も場所もとても素敵で、熊野がどんどん好きになっていった。そして、古道を歩いているうちに熊野がどんどん自分ごとになっていった。 東京に帰ってきてからは、我が家のお米は熊野米。熊野の杉を使った名刺を熊野で出会ったデザイナーさんに作ってもらったりと、今も私の中の大きな部分を熊野が占めている。東京で熊野神社を見つけると、嬉しくなってお参りしてしまう。そして、いつか「熊野古道でロードムービーを撮ること」が夢になった。今年も熊野詣をして、夢の実現をお願いしようと思う。
 
新澤梨緒(20代、デザイン業、女性)| リボーン1期生 よく「地域」という言葉がつかわれるけど、そこで使われる地域がどんな場所を指しているのか。ある種、意味を持たないことばに感じられるし、いまいちピンとこないことが多い。 熊野はわたしの家族にとって馴染みのある場所ではあったけど、わたし自身にとっては(すこしの親近感は感じつつも)、その意味で“いち地域”に過ぎなかった。でも、昨年の第1期への参加を経て、あれから私にとって熊野は単なる地域ではなくなったのだ。 熊野の周りには素敵なひとたちがいて、心地のよい空気を作り出している。その空気が大好きだ。熊野と聞いて連想するワードから“地域”が消えて、大好きな空気が思い起こされる具体的な場所になった。これは大きな変化だと思う。
 
秋津 眞未(40代、占い業、女性))| リボーン1期生 第1期に参加して以来、プロジェクトを通して知ることができた熊野古道のことや、熊野に関わる田辺市の魅力を、自分が関わるコミュニティでお話する機会が増えました。 今まで「神社」という方向だけで熊野の魅力を話をしていたところがあったけど、実際に歩いて触れたことで、現地で関わる人々とその想いまで伝えられることができるようになりました。自分の中で、より「熊野」という場所が身近に、そして大切な場所の一つとなりました。
 
永井 里沙(30代、WEB制作業、女性|リボーン2期生) 和歌山県田辺市と雑誌ソトコトが企画する「たなコトアカデミー」に参加し、田辺の土地・人・息づく文化の魅力の虜になりました。その後、熊野リボーンの存在を知り、普段は山登りなど全くしないにも関わらず「熊野に行きたい!もっと知りたい!」という想いだけで、申し込みをしていました。 熊野古道の道のりは、日頃運動不足の私には辛いものでしたが、専門家の方々の熊野古道に関する神秘的で興味深いお話や、熊野リボーンで出会った様々なバックグラウンドを持つ方々との楽しいやり取りの中で、最後まで歩き切る事が出来ました。私にとって、多くの発見や新しい価値観に出会う旅となりました。熊野は、ずっと繋がりを持ち続けたいと思える地域となり、今後も関わり方を模索していきたいです。
 
竹内怜実(40代、リフォーム業、女性|リボーン2期生) 応募のきっかけは、熊野古道への憧れ。加えて2期のテーマの林業に、自然素材を扱うリフォーム会社で働く私の心は一瞬で掴まれた。熊野の木材を提案したい!とワクワクしたのを鮮明に覚えている。実際、熊野古道は一度では足りない魅力に溢れ、迎え入れてくれた現地の方々は地元愛に溢れていた。 その温かい笑顔も熊野に愛着を持つ理由だ。歴史ある熊野が魅力を保ち続けられるのは、この方々の努力と想いがあるからだと実感した。価値ある木材をこんな風におすすめしよう。訪れた後は考えが具体的になった。木材を通して、やり取りを継続させてもらえることを嬉しく思う。 再訪を望むのは、熊野の魅力もさることながら、古道の長い道のりを一緒に歩き、今も山行を共にする山仲間と出会えたことも大きい。世界が広がり、熊野が、山が、ますます好きになった。
 
鈴木久子(編集&ライター、女性|リボーン2期生) 山に行くのが好きで、熊野古道には「いつか行ってみたい」と思っていましたが、なかなか実現せず。ある日、目に飛び込んできた「熊野リボーン2期」の募集に、「そうだ、仲間をつくろう」と、締め切りギリギリで申し込みました。 初めて訪れた和歌山県田辺市は、山も海もおいしいものも豊富で、予想以上に魅力的でした。大充実のフィールドワークを終えて、延泊し丸1日かけて熊野古道中辺路(約40km)も歩けて大満足……では終わらず、翌年4月には柑橘収穫、6月には梅の収穫や田んぼの草とりなどを体験しに行かせてもらい、もはや第二の故郷のよう。何より田辺の皆さんが楽しくて温かいんです! だから訪れる度に、やりたいこと、会いたい人が増えていく。お手伝いを兼ねて、季節ごとに遊びに行けたらいいなぁと思っています。

あなたのご応募、お待ちしております!

Withコロナの時代を迎え、私達の生活は大きく変わろうとしています。都市に集中していた人々の暮らしは、その様式を根底から見直されつつあります。その中で地方に目を向け、未来のヒントを探そうとする人々も増えてきているようです。
それは、移住といった極端なものだけではありません。都市に暮らしながら緩やかに地方とつながる。人生の分岐点に立った時に、道を選ぶヒントを地方に求める。都市で得た知見をもって、地方の創生に協力する。そういったしなやかな生き方が、これからの私達には必要なのかもしれません。「熊野リボーンプロジェクト」が、関係する全ての人々の明るい未来につながることを私たちは祈っています。皆さんのご応募、お待ちしております。

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