プロジェクトをご支援いただき、誠にありがとうございました

ご支援のお礼
この度は、DOMOの支援プロジェクトを通じて雲ノ平ボランティアプログラムを支援していただいき、ありがとうございます。4万8千人もの方がこの取り組みに興味を持ち、支援の意思を示していただいたことに大きな驚きと、心強さを感じています。
本プログラムは、持続可能性が危機的な状況にある国立公園の環境保全のあり方を、山小屋、アウトドア関連企業、専門家、環境コンサルや学術機関、ボランティアなどの民間レベルの横のつながりを強化することで改善していく取り組みとして、雲ノ平山荘と東京三鷹市のアウトドアショップ、ハイカーズデポとの共同運営体制で2021年に始動しました。

これまで日本では、国立公園が保護と利用のバランスにおいて、著しく観光利用に偏った形で発展してきた結果、公的に自然環境を適切に保全するための仕組みが成熟しませんでした。登山道の日常的な維持管理も、現場の山小屋や山岳会などの自助努力として管理するという形が主流でしたが、近年の気候変動による荒廃の加速化や社会環境の変化、コロナ禍などにより、個人のレベルで支えることは限界をきたしています。
こうした中、YAMAPのDOMO支援プロジェクトにも端的に示されているように、現状に危機感を持った人々が連帯し、別の道を模索する力強い機運が生じ始めています。
単独で事態を解決できる主体がいないからこそ、みなで協力する。当たり前のようでいて定着しづらいあり方を、私たちは明確な可能性として育てたいと考えています。

この取り組みはただ「善意を示す」「行動する」だけの活動にとどめず、各種専門家や行政も巻き込みながら、景観や生態系に調和した整備技術の確立や、誰しもがアクセスできるデータベースの作成、きめ細かい情報共有、財源の多元化や持続可能な組織づくり、実践的な制度設計の提案などを行うことで、今後の環境保全システムのロールモデルとなる取り組みにしていきたいと思います。
初年度となった昨年は、景域計画(株)との共同作業による登山道の荒廃状況に関する調査、大雪山山守隊岡崎哲三さんの指導による近自然工法での登山道整備、岡崎さんと雲ノ平山荘伊藤による国立公園をめぐる各種課題に関する座学などを行いました。

多様な参加者が互いに密接にコミュニケーションを図りながら実践や議論を深める経験は、今後の新しい時代の幕開けを予感させるものとなりました。
おりしもグローバルな環境危機や資源の枯渇などに揺れる現代社会において、足元の大自然との新しい関係性を築くことを通して、プログラムの参加者や支援者のみなさまにとって、真に豊かな社会を思い描くきっかけになれば幸いです。
ぜひ引き続き、雲ノ平登山道整備ボランティアプログラムのご支援を、よろしくお願いいたします。

今後の、DOMOの使い道について
本年からは、プログラムの運営を今夏新たに設立した一般社団法人「雲ノ平トレイルクラブ」で行うこととなりました。DOMO支援プロジェクトによる支援金はトレイルクラブの活動費に充てられます。
具体的な用途としては「登山道整備・植生復元工の資材購入」「ボランティアスタッフの活動、滞在経費」「登山道調査及びデータベース作成」「記録動画(写真)の撮影及び編集」「広報及び各種事務手続き」「ヘリコプターでの物資輸送」「コンサルや講師への謝金」などが挙げられます。


